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商店街 移住計画

富山のたいちゃんです。まちなかシェアハウス & 商店街ゲストハウスをやろうとしてます。

1日目 "多田朋孔" さん と 地域の話

人と会う

多田 朋孔さん

NPO法人十日町市地域おこし実行委員会 事務局長 

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<プロフィ−ル>
京都大学卒。在学中に京大応援団第44代団長を務める。コンサルティング会社、組織開発コーディネーターを経て、新潟県十日町市の池谷集落に妻子を連れて移住。
事務局長を務める同会は“地域づくり総務大臣表彰”、“あしたのまち・くらしづくり活動賞「内閣官房長官賞」”などを受賞。その他6次産業化プランナー、新潟大学非常勤講師など。

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十日町でのこれまでの協力隊受け入れは総勢で51名。そのうち現在に至るまで、なんと7割を超える方が十日町の魅力に惹かれて移住を決めている。そんな十日町で7年間、地域の人たちと歩みを共にしながら、地域のことを考えてお仕事をされきた多田さんにお話を聞いた。

 

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そもそも協力隊になった“きっかけ”って何だったんですか?

そもそもは会社員時代にリーマンショックのニュースを見ていて、「本当に経済やお金が全てなのか」という疑問を持ち始めて、モヤモヤした気持ちを抱いたことが始まりですね。

それでちょうどその時に、会社の社会貢献活動の一環で十日町の池谷に訪れたことがきっかけとなりました。

 

その活動で十日町に行くまでは、モヤモヤが何かずっとわからないままだったんですが、その時に地元の活動団体の十日町市地域おこし実行委員会代表の山本さんから、

「若者は都会に仕事を求めに行く。僕たちのこの活動は、都会に仕事を求めに行った人たちの中から地面に足をつけて生活する後継者を増やしていくこと。

そして、それをここでうまくいかせて、そのモデルを日本に広めていき、日本全体の農村の問題に立ち向かうんだ。」

 

という話を聞いてやっとピンときたんです。

「これだ。」って。 

移住を決めたのは、池谷で自分も体験した「自分で食べ物を育てて、地に足をつけた暮らしをしたい」と思ったことがやはり大きいですね。

 

 

 

協力隊ってどんな感じのことやるのですか

協力隊って、3年しかないから焦る人が多いです。けれど、そうすると地方の人とうまくかみ合わなくて、空回りしてしまうんですよね。 

そこで僕は”足し算の支援”と”掛け算の支援”が必要になってくると思ってます。

足し算の支援というのは、気持ちがマイナスになっているその地方の人たちがやる気や思いを前向きに持てるように支援をすること。

 

そのあとにやっと掛け算の支援。これは事業などを提案して地域を盛り上げることです。

地域の人たちの気持ちがマイナスの状態のまま掛け算をするとマイナスが大きくなるので、順番が大事だという意味でこのような言葉を使っています。

それでも、みんなでやるからこそできることであって、まずは地域や地域の人たちを知ってからやることが大事なんです。

地道にやらないとね。

 

 

 

協力隊ってすごく難しいことが多そうです…

まあ、この協力隊を難しいか難しくないかと思うかはわからないですね。

人によるんだと思います。

 

地域の人たちを強引に巻き込もうとするから、難しくなるだけで、普通の企業みたいに短期的なノルマのプレッシャーもないし、その分長期的な目線でじっくり人と向き合って仕事ができます。その方が、合う人にとってはいいのかもしれないですね。

 

 

 

地域の力ってどこにあるんですかね?

”人”は大きいと思います。自然の中に住んでいる人は、都会の人にはできないことができるんだよね。生きる力っていうか、自分の生活を成り立たせるための知恵や体力を持ってる。

百姓ってよく100個のことができるから、百姓っていうけど、十日町の人たちは本当にたくましいし、生きるということを自分たちでできるんです。

 

たとえば、藁をなって一つの生活のための道具を作ることがだってできる。

よく取材とかでは、地域に協力隊としてきている人が取材されるけど、本当はその村や地域にずっといて自然の中で生きている人の方が、生きる術を知っていてすごかったりするんですよ。

 

 

田舎で暮らすって楽しそうですね。

そうですね。でも田舎で暮らすって本当に大変なんです。

例えば、人間関係でも都会ならたくさんの人がいるんで合わない人がいれば、その人と会わないようにすればいいだけ。でもそれが田舎だと、どう頑張っても近所とかで顔を合わせないといけないんですよね。

 

そういった意味では、限られた人間関係の中で付き合っていかないといけないんです。実は私もかつて、地域の人たちとすれ違ってしまった時期もあったんです。

その時は、3年間積み上げた信頼をなくして、それを自分で取り戻すために大体1年程かかったと感じてます。

 

 

 

迷っている人に何か一言。

地域で協力隊をするということはそんなに甘くないです。

自分の中に、こうやって生きていこうというものがないまま来ると、厳しいのではないかと僕は思います。あとは地域の人たちが真正面から向き合ってくれることに対して、ちゃんと向き合えるような人じゃないとね。少し厳しいことを言われて、大きくへこむ人もいると思いますが、そのお叱りは愛情の裏返しであってその人に頑張ってほしいからなんです。

それをも耐えれないなら、僕は難しいと思いますね。

 

 

 

地域のために何かしたいと考えている学生に何か一言。

僕は何事も郷に入れば、郷に従えだと思いますね。

地域に入るにしても、会社に入るにしても同じだと思います。来たばかりの時に、地域のことを何も知らないで「こんなことをやろう」とか「これが必要だ」とか決めつけるのは少し早い気がします。まずは、そこの地域をよく知らないと。

 

そのために、まずは言われたことはなんでもやってみる。なんでもそうです。とにかく、基本のものを知らずにオリジナルティは出てこないと思います。守破離って言葉がありますが、まずは型に入ってみて、それから型を破って、そしてやっと型から離れてオリジナルティを出していく。これが大事だと思いますね。まずはやっぱり地域の人たちと一緒に汗をかいていかないと。

 

地方は都会よりも何事もゆっくり進んでいるように感じると思いますが、長い目を持って1年ペーズで考えることが地方では必要なんです。収穫とか田植えとか…。じっくり考えることになれますね。

 

なので、すぐに成果は出ないかもしれません。でもこれってビジネスにおいても同じで、苦労せずに短期的に出来ちゃうものって結局誰にでもマネされちゃうんですよ。それと同じです。

 

 

 

でもゆっくりでしか進めないって、実績が出てこない時は不安なのでは…?

それは、その人がちゃんと長期的な未来展望を持つことが大事になってきますね。ちゃんと「自分がどうなりたいか」っていうことを持っているのと、持っていないのでは大きく変わると思います。

 

僕は十日町に来てから7年目になりますが、ここまできて振り返ってみると、人数は少ないけど十日町に移住者を増やすことができて、少しずつですが自分の理想に近づいてきているのかなと感じています。

それと僕自身も各地方に呼ばれて研修を行ったりとか、本当に少しかもしれませんが、自分が理想にしていることに向かっているんだと実感できるようになりました。

 

僕は目で見える実績が出るまでは、地域の人からの声もモチベーションに頑張りましたね。

あとはいろんな人と知り合えたということをも一つのやる気のもとでした。あ、それと地域の人が僕に頼みごとをしてくれたことも信頼をしてくれているんだという気持ちになって、やる気につながりました。

 

 

最後に…。

やっぱり、自分の理想みたいなものが何かしらあって、そこに向かって今これをやっているというものがあるといいですよね。

学生の皆さんなどはこれからなので、ぜひいろんなことに挑戦してみてほしいものです。

 

取材をしてみて… by たいちゃん

地域での活動というと、「どう活性化しようか」とか「どのように盛り上げようか」とかを考えがちですが、やっぱり一番大事なのはそこに住んでいる人が暮らしやすいものを作ることがいいのかなと思いました。

 

これから、たくさんの人とお話をさせてもらって、いろんなことを勉強していきたいですね。